「異業種交流会」としての超異分野学会|超異分野学会の特徴
人類が向き合うべき新たな研究テーマや課題を探すための「異業種交流会」
「超える。つながる。世界を変える。」をコンセプトに掲げる超異分野学会は、研究者、大企業、町工場、ベンチャー、自治体といった分野や業種の違いにとらわれず垣根を超えて人類が向き合うべき新たな研究テーマや課題を捉え、ともに研究を推進して新たなプロジェクトを作る議論をする場です。 アカデミア研究者や研究開発型ベンチャーが多数参加する中で、人的交流、情報交換はもちろん、研究アイデアの創出や革新的なテーマの創出、新規事業創出につながる 分野や業種を超えたコラボレーションの機会を得ることができます。
<開催概要>
- 大会:超異分野学会2024 豊橋フォーラム
- 日時:2024年12月14日(土) 10:30~17:30
- 場所:豊橋サイエンスコア
- 大会:超異分野学会2025 東京・関東大会
- 日時:2025年3月7日(金)・8日(土) 10:30~17:30
- 場所:ベルサール新宿グランド コンファレンスセンター
- <大会より始動したプロジェクトや連携事例>
- 町工場 ✕ 大学 〜業界の壁を超えた連携の創出〜
- → ニュースリリース:株式会社木幡計器製作所が医療機器のプロトタイピングのニーズを持っていた滋賀医科大学と協定を締結
- リバネス・フォレスト・プロジェクト
- → プレスリリース:人と自然の共生を実現する「LVNS Forest Project」の発表会を実施
異分野・異業種が技術、課題、経験、ネットワーク、ノウハウ、社会実装への道筋といった互いに異なる“知識”を持ち寄って議論し、未来を語ることで、新たな研究アイデアを創出につなげ、革新的なテーマの創出を目指します。
いわば、人類が向き合うべき新たな研究テーマや課題を探すための異業種交流会です。
異業種交流会・学会や展示会と超異分野学会との違い
超異分野学会には、いわゆる異業種交流会・学会や展示会とは異なる、以下のような特徴・強みがあります。
- 特徴1:参加者層は、あらゆる分野・業種
(企業や大学等研究機関所属の研究者、企業、ベンチャー、町工場、教育関係者、学生 etc.) - 企業所属者と研究者が同じくらいの数、集まる場であることも超異分野学会ならではの特徴です。
- 特徴2:熱量の高い参加者とともに、主体的かつオープンな議論が展開
- 「違う分野の研究者同士の会話に、企業所属の自分が相乗りできるのは超異分野学会ならではです」 「参加者全員にフラットな関係が場として成立しているから、共創することができる」 「この人面白いな、組んでみようか、という相手を探究する場」 過去の参加者からこのような感想が挙がっており、「何かやりたい」「他の分野と何か組み合わせて新しいことをやりたい」という情熱がある人が集まるのも大きな特徴です。 超異分野学会では単に多様な分野の人が集まっているだけでなく、多様な「志」が集まり、毎回、オープンに熱量高い議論が繰り広げられています。
- 特徴3:プロジェクト創出するために、リバネスコミュニケーターが伴走
- 超異分野学会を起点にプロジェクト創出するために、リバネスコミュニケーターが、パートナー企業や研究者、ベンチャー企業等の参加者と共にこれまでにない研究テーマの創出、課題解決のアプローチを建設的に議論を深め、垣根を超えて共に最先端の研究開発を仕掛け続けます。
垣根を超えた出会いがある、ユニークな交流会
研究者、大企業、中堅・中小企業、町工場、ベンチャー、自治体などあらゆる分野や業種の垣根を超えて集まった人たちが、知識を持ち寄って積極的にコミュニケーションをとります。そこには「分野を超えることで初めて生み出せるテーマを探そう」「分野を超えてコトを起こそう」という各人の情熱があります。
情熱に裏付けされた、垣根を超えた出会いがある交流会。アカデミア研究者や研究開発型ベンチャーが多数参加する中で、人的交流、情報交換はもちろん、研究アイデアの創出や、革新的なテーマの創出も図ることができる、ユニークな現場です。
分野や業種を超えた新規事業創出に繋がっていくような新たなコラボレーションの機会を得る場としてもぜひご活用ください。みなさまの聴講参加をお待ちしています。
超異分野学会2024 参加企業募集中!
超異分野学会2024 豊橋フォーラム
- 大会:超異分野学会2024 豊橋フォーラム
- 日時:2024年12月14日(土) 10:30~17:30
- 場所:豊橋サイエンスコア
- 住所:〒441-8113 愛知県豊橋市西幸町字浜池333-9
- テーマ:知の融合が生み出す豊橋発の創造力
- 2022年に始まった超異分野学会豊橋フォーラムでは、これまでに地元企業や地元大学と域外の研究者、ベンチャー、事業会社との連携を生み出すための仕掛けを考え、実践し、取り組みを続けてきました。その中で豊橋というエリアが持っている研究力、技術力、伝統、新しいことを仕掛けようとしている企業の人の思いなど様々な発見をしてきました。例えば、動植物園が大学と連携してプロジェクトが生まれるといった他のエリアではない事例も生まれてきています。 3年目を迎える今回は、見出してきた豊橋のポテンシャルをさらに顕在化させ、豊橋エリアの大学や企業と域外との連携を生み出していく取り組みとして展開してまいります。
参加者の声
超異分野学会について、株式会社メタジェン村上氏と株式会社フォーカスシステムズ大島氏に話を伺いました
大島 有香 氏
株式会社フォーカスシステムズ
ITイノベーション第二事業本部
テクニカルプロモーション事業部
ビジネスクリエーション部
――― 自己紹介をお願いします
初めまして、フォーカスシステムズの大島と申します、本日はよろしくお願いします。
弊社はシステムの開発やネットワークの構築など、いわゆるITと名の付くもの全般を事業として推進しているIT企業になります。
今期で48期を迎え、約50年の歴史がある会社です。
その中でITの技術やノウハウを、研究者の皆様やIT以外の分野に貢献できないかを日々模索しながら活動を行っております。
今回も超異分野学会を通じて、そういった新しいものをどのように構築していけるか考えながら参加させていただきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
――― これまでどんな形で超異分野学会に参加してきたかなど教えていただけますか?
私は超異分野学会のイグニッションの企画に過去2回参加させていただいてます。
2023年度の夏の関東大会と関西大会に1回ずつ企画を実施させていただき、関西大会の時には3演題、関東大会の時には1演題採択させていただきました。
当日出会った参加者同士で、新しい研究や技術をどのように組み合わせて実装していくか、仮説を申請し、実際にプレゼンテーションしていただき、それに対して、私達から皆さんの前で質疑応答をする、といった企画をしました。
ここで採択させていただいた方達とは今も繋がりがあり、コンスタントに打ち合わせを行うなど、継続して取り組みを進めることができています。
実際にその当日に出来上がったテーマは、未確定の要素だったり、まだ実装には難しいようなところもありますが、それを実際に実装していくためにはどういうことが必要かというのをそれぞれチームメンバーで知恵を絞りながら進めております。
このように、新しい事業を生んでいくための企画の場や、事業として取り組めるようなことのきっかけを、超異分野学会でいただいています。
村上 慎之介 氏
株式会社メタジェン
取締役COO・CIPO
――― 自己紹介をお願いします
メタジェンは2015年に設立をした大学発ベンチャーで、慶應義塾大学と東京工業大学から出てきています。グループビジョンとしては「病気ゼロを実現する」を掲げて、今、皆さんのお腹の中にいる菌たちに注目していろんな研究をしたり、それに基づいた事業を創ったりしています。
腸内環境については「一人一人全然違う」ということが分かってきており、この腸内環境に合ったヘルスケアを当たり前にすることを目指して、皆さん1人1人の腸内環境に合わせたヘルスケアをするための事業を創っています。
例えば腸内の菌を検査して、それに合わせた食べ物を食べる、そういう世の中を創りたいということで、昨年の4月にカルビーさんと一緒にボディ グラノーラという商品を出しました。
まずは腸内環境を調べるために便を送っていただき検査をして、そして「あなたに適した食べ物(グラノーラ)を食べましょう」そういうサービスを創っています。
私自身も予防医療、温泉療法などの研究をやっており、メタジェンの1人目の社員として入り、今は取締役をしています。便を採って送るのには、便の保存をする技術などがいるのですが、そういった開発に携わったりしていました。
超異分野学会は数えてみると意外とたくさん出ていて、セッションなども登壇させていただきながら、共同研究をしている成果をここで発表したり、ここで出会った方々と新しい取り組みを始めたりと、これまで活用してきました。
――― これまでどんな形で超異分野学会に参加してきたかなど教えていただけますか?
私は元々研究をしていたので、いわゆる学会に行くと、似たような分野の人がいて、アカデミックなポスターを出して、アカデミックな議論をする、という場が学会というものと思っていましたが、超異分野学会に行くとまず研究者じゃない人達がいっぱいいますよね(笑)。
大企業の方もいらっしゃるし、他のベンチャーの方、高校生など学生さん、町工場の方や行政の方もいる。いろんな方がいる。そういう環境の中で自分のやっている研究を発表する、また取り組んでいる事業を発表することもありますが、それがどんなふうに見てもらえるのか、多様な意見やコメントをもらえるというのが、すごくユニークな場だと思っています。他にないですよね(笑) 。こういう場って。なかなかないと思うので、すごく良い場だなと思っています。
メタジェンとしては自社でやっている研究を発表するようなケースもありますし、パネルディスカッションのような所で登壇させていただいて、取り組んでいることを話したりだとか、その時のテーマに合わせてお話をさせてもらったりだとか、そういう経験が多いんですけれども、そういう所で「じゃあこういうのやってみたら面白いよね」といった話がセッションの中でも生まれて、「じゃあ実際にやってみましょうよ」ということで超異分野学会の後にその企業さんとお話が続くということもあります。
我々山形に本社があるのですが、山形のフォーラムの時などは、参加されていた企業さんと共同研究に結びついて、実際に今プロジェクトが動いているようなケースもあります。「新しい物事を踏み出すきっかけになる場だなぁ」と思っています。普段思いつかないことがこの場だったら思い付く、みたいなことが沢山あると思います。
――― ポスターで発表されていない方の場合もいろんなポスターのところに行って、自分の考えをぶつけてみると、そこから新しいアイデアや関係性が生まれてくることがあると思いますがいかがですか?
そうですね。おっしゃる通りだと思います。
腸内細菌の研究をやってますといわゆる学会で発表したとして、それこそフォーカスシステムズさんのようなところに出会うことってないですよね(笑)正にそういう出会いが起こる場だと思っています。
普段は接しない分野の方達がいっぱいいる場で、「分からないので教えてください」で良いと思うので、積極的に声を掛けてみて交流をする、というのが大事だと思っています。
成果事例紹介
超異分野学会を起点に共同研究や実証試験、社会課題の解決に向けた新たなプロジェクトがスタートしています。
成果事例1
アカデミア X 自治体
ミミズコンポストによる持続的な生き餌の確保と動物福祉の向上MIMIZOO
昨今の物価高騰に伴い動物園動物の飼料代が動植物園運営の大きな負担となっている。そこで、動物性タンパク質の補給をはじめ多様な栄養素の補給飼料としてミミズを活用するアイデアを検証する。ミミズは適切な環境下で非常に高い繁殖能力をもち、コンポストに活用することで堆肥生産と生き餌への活用の並行が可能になると期待される。また、生き餌の確保は動物園動物が本来あるべき姿の再現にも直結し、動物福祉の向上に大きく寄与する。本テーマは超異分野学会2024東京・関東大会で実施された特別企画「知識製造イグニッション」で超異分野賞を受賞。豊橋総合動植物公園を実証フィールドとして、ミミズコンポストを介した動物福祉の向上と持続可能な開発の ための教育を実現することを目指して2024年5月よりPOCを開始している。
成果事例2
アカデミア X 自治体
アニマルウェルフェアに資する牧場経営に向けた乳牛のストレス評価システムの開発
アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼育環境を構築し、家畜のストレスや疫病を減らすことは、安全・安心な畜産物の生産を実現するだけでなく、生産者にとっても治療費等のコスト削減や生産性の向上にもつながる。そこで乳汁中のストレス関連ホルモンを定量的に測定し、乳汁中のストレスホルモンの濃度が、乳牛の日常的なストレス評価の指標となる可能性について検討する共同研究を開始。生産者の経験的評価および動物行動学に基づく行動評価は藤井牧場が実施、生理学・生化学の知見に基づく自律神経やホルモン分析によるストレス評価はイヴケア・滋賀大学が実施、3つの評価項目の統合的な結果のシステム化、および評価のIoT化を株式会社フォーカスシステムズが担い、「美味しい」だけでなく「乳牛にも優しい」牛乳の生産および生産環境の構築による新たな価値創造を目指す。
成果事例3
ベンチャー X 大学 X 企業
腸内環境を適切にデザインすることで健康長寿を実現する「腸内デザイン学会」の設立
腸内環境の網羅的解析によって、ヒトと腸内フローラとの関係が次々と明らかになってきている。この知見を健康維持・疾患予防に活かすためには、それらを実現する行動変容を促し、個人に合ったアプローチで腸内環境を“デザイン”することが重要になってくる。そこで「腸内をデザインする」という考え方を広げ、健康維持や疾患予防、医療分野における研究の発展を目指すため、「腸内デザイン学会」の設立に向けた動きが生まれた。超異分野学会東京大会で関連テーマでのパネルディスカッション(セッションパートナー:協和発酵バイオ株式会社)を実施し、研究者や企業への参画を発信。 翌2020年11月に4企業、3大学を巻き込んだキックオフミーティングを実施。2021年11月には第1回腸内デザイン学会年会を開催し、現在も最先端の学術知見を共有する場として発展している。
成果事例4
リバネス X ベンチャー X 企業の集合体
森林と人の自律社会システムを実現するリバネス・フォレスト・プロジェクト
産業革命以降、人類が森林を伐採し放置し続けてきた結果、世界の森林面積は減少の一途をたどり、5年間での減少量は500万ha以上で推移している。今後、人類が森林を一方的に利用するのではなく、森を育み、そこに生まれる生態系や果樹・木材などの資源を有効活用しながら社会生活を営むことが求められる。そこで、荒廃した森林の課題解決に取り組むフィリピン発ベンチャーGALANSIYANG Inc.と連携し、新たな植林体系を構築するためのディープテックの開発や、森林から有価物を生み出すための研究開発、森林と共生する意識醸成のための教育活動等を行い、人と森林の新しいあり方を開発する。 2023年3月11日より、フィリピンの荒廃した森林を実証フィールドとして、リバネス、GALANSIYANG、日本企業、そして大学研究者の知識・アセットを組み合わせ、シードボールやドローンの開発、土壌改良法や発芽法の検証等を開始している。