研究者、大企業、町工場、ベンチャーといった分野や業種の違いにとらわれずに、議論を通じて互いの持っている知識や技術を融合させ、人類が向き合うべき新たな研究テーマや課題を捉え、共に研究を推進するための場です。異分野・異業種の参加者により、これまでにない研究テーマの創出、課題解決のアプローチを建設的に議論し、垣根を超えて共に最先端の研究開発を仕掛け続けます。
リバネスは2002年に若手研究者15名でスタートしました。様々な分野の研究者が「科学技術の発展と地球貢献を実現する」という理念のもとに集い、リバネスの事業計画について会議を重ねていました。しかし、いつの間にか各々の研究の話になり、異分野ならではの視点が混ざり合う白熱した議論へと展開するのが常でした。やっぱり研究の話が好きなのです。むしろ異なる分野の研究者と、いわゆる学会では出会うことがない研究者と、異なる視点で議論し、未来を語ることが新たな研究アイデアにつながることを実感していました。だからこそ、当たり前のように『超異分野交流会』はリバネス設立と同時期、2002年に始まったのです。
その後、リバネスのメンバーおよびインターン生を中心にした、いわば身内で開催していた超異分野交流会に、若手研究者向けの研究助成制度『リバネス研究費』でつながった外部の研究者も参加するようになり、企業からの参加者も増えた中、2011年に『超異分野学会』として改組し、異分野・異業種、所属などあらゆる垣根を超えて議論し、新たな知識を生み出す場に進化しました。そして、2021年3月開催の第10回本大会まで、その規模は拡大し続け、また超異分野学会のコンセプトを踏襲しつつ、地域でのフォーラム、東南アジアでの開催などへ派生し、今に至ります。
新型コロナウイルス感染症が蔓延する中でも、完全オンラインで実施した第9回、また来場制限を設けつつライブ配信も併用して開催した第10回。どのような状況でも研究は止めるべきではないと信念をもって超異分野学会を開催してきました。オンライン化は遠方からの参加も容易にし、多くの参加者を受け入れることができる一方、場の熱は共有しにくい側面を感じ、また2,000名を超える参加者とのコミュニケーションはどうしても密度が下がってしまうという課題も感じました。コロナ禍は、熱と密度は反応を促進する上で重要な要素であると再確認する機会になりました。
そこで、第10回の節目を機に超異分野学会の意義を改めて考えました。熱と密度を高めるべく、規模を制限したオンサイト実施とし、かつ熱量の高い参加者を増やすべく、趣旨に賛同する自発的な参加者と招待者に参加を限定することにしました。
また、名称を『本大会』から『東京大会』に変更するとともに、大阪フォーラムは大阪大会へと改称し、東京のカウンターカルチャーとしての視点で議論する場に位置付けました。この節目で超異分野学会をアップデートし、これまで以上に、お互いの持っている知識や技術を融合させ、人類が向き合うべき新たな研究テーマや課題を捉え、共に研究を推進する場を作っていきます。
超異分野学会学会長
岡崎 敬
2002年、「超異分野であれ」をスローガンに自らの専門を他者に伝え、他者の専門を受け止める志を持つ研究者たちが超異分野交流会を立ち上げました。
その後、2011年には若手研究者向け研究助成金「リバネス研究費」の採択者も参加して参加者数と専門分野の拡大が加速。その翌年には学会へと改組しました。
さらに技術ベンチャーのためのシードアクセラレーションプログラム「TECH PLANTER」コミュニティから数々のベンチャー創業者が参加。そこから超異分野学会は、基礎研究から事業化まで、科学技術のあらゆるフェーズの議論が行われる場となっています。