超異分野学会

メニュー

レポート

2018年10月10日

テクノロジーを活用する100年続く組織作り

人々が生きがいを持って楽しく働く世の中を作るために、ルールや仕組みを管理するのではなく、人の考えや感情にフォーカスした組織づくりが必要になってくるのではないか。ティール組織やホラクラシー経営など、新しい組織作りが話題になる昨今、そんな課題意識から、経営学の専門家、経営者、そして人とのコミュニケーションを濃密にするテクノロジーをもつベンチャー企業が集まり、セッションを開催しました。タッグを組む株式会社リバネスのコミュニケーターからの各社の紹介の後、どのような組織・チーム作りができるか、会場も交えて議論を行いました。

 

テクノロジーと組み合わせて創造的文化が加速し続ける組織を作りたい

 

登壇者:株式会社リバネス代表取締役社長COO髙橋修一郎

植物の研究者だった自分が手探りで経営に関わってきて16年。研究仲間でスタートした会社が少しずつ大きくなり、新しい仲間を迎え会社の文化を創り継承していく中で、人間の心や組織に興味が湧いてきました。今、人や組織を解析するテクノロジーベンチャーが私たちの周りに集まってきています。そのようなベンチャーのテクノロジーを積極的に学び、実装してくことで、これまでの経験だけでは気づけなかった未来の組織の姿を探求して行きたいと考えています。

 

登壇者:早稲田大学大学院経営管理研究科准教授入山章栄氏

経営学の中にも、コミュニケーションの取り方が生産性に影響する知見は多く報告されています。イノベーションを生むには既存の知を組み合わせ、新しいアイデアを生むことが必要ですが、新しいテクノロジーやバイタルのデータ、現場の知見などを組み合わせて、組織やコミュニケーションのあり方が変化していくようになったら面白いですね。

 

 

 

話題提供のテクノロジーベンチャーと実現する未来

 

株式会社オリィ研究所

オリイ研究所は「孤独を解消する」をコンセプトに離れた人と人とのコミュニケーションを加速するロボット「OriHime」を開発。人型ロボットなので、遠隔コミュニケーションながら「存在感」を持ったコミュニケーションができることが特徴です。会場では、パソコンの画面越しと人型ロボットを介してとるコミュニケーションの違いについて議論されました。使う人たちの関係性や、個と大勢の議論など、シチュエーションによって存在感の必要性が変わっていきそうです。

「OriHime」は、能面のように見る人によって表情が変わるよう、あえて無表情になっています。我々は、表情を持たないロボットから何の情報を受け取っているのかを深く考えていくことがコミュニケーションデバイスに求めることのヒントになるように思います。

 

ハイラブル株式会社

ハイラブル株式会社は複数の話者がいる会議などの場面で誰がいつどのタイミングで発言したのかを音として記録し、分析できる技術を開発。グループワーク中の生徒のコミュニケーションの記録をつけたり、誰の発言が会議のキーポイントになったかなどをテキストではなく、音の量として記録できることが特徴です。上司やファシリテーターなどの傾聴教育や、発言が少なくても議論で重要な論点を提供できる人材を見つける機会を増やすアイデアが出ました。会議での上司やファシリテーターの発言はタイミングが議論を左右する非常に大事なポイントになりますが、再現して振り返ったり、トレーニングすることが困難でした。この技術を効果的に使った教育を開発できれば、場を作っていくファシリテーターや傾聴の上手な上司を増やすことができるかもしれません。

 

株式会社エモスタ

人の表情を動画解析し、感情を読み取る「エモリーダー」を開発。感情に関わる心理学的な知見と合わせ、感情から理解度やコミュニケーションの状態を抽出することができることが特徴です。会場では感情の動きに迫る技術を持つことが、ビジネスに影響を与えるという研究結果や、腹落ちや共感を生みだすプレゼンテーションのあり方について議論が進みました。日本の企業では上司の命令や企業の理念などについて、腹落ちして働いている人が少ないと言います。人の共感を得て、仲間を巻き込めるリーダー人材を増やすためにも感情を意識した議論やプレゼンテーションをしていくことは非常に重要で、エモスタは踏み込めていなかったコミュニケーション領域に一歩踏み込んだ挑戦なのだと改めて感じました。