超異分野学会 琉球フォーラム2017/生産現場ツアー

大会テーマ
生産現場を変革する技術との出会い
日 時
2017年8月24日(木)、8月25日(金)
場 所
沖縄銀行本店5Fホールアクセス

超異分野学会では、研究の価値を広報し、研究費を集める機会を提供します

ー フォーラム概要 ー

琉球フォーラム2017は盛況のうちに終了いたしました。

生産量の減少で新たな生産現場が求められているカカオ栽培、利益を生み出せる畜産業、海面・陸上を舞台にした養殖技術をテーマにしたシンポジウムとパネルディスカッション、一次産業に新たな視点を加えるポスター発表を軸に開催いたします。

スケジュール

8月24日(木) 生産現場ツアー

沖縄は、亜熱帯という日本の中では限られた生産現場を持ち、そこには新たな産業の可能性があると考えています。
今回のツアーでは、沖縄独自の生産に取り組んでいる農林水産業の現場を訪ねます。農作物では、最近になって日本の亜熱帯地域で栽培の取り組みが始まったカカオ、沖縄で昔から食用としても栽培され、近年睡眠改善効果などが報告されているクワンソウの栽培農家を訪問します。さらに、水産業では沖縄以外の地域ではまだあまり流通していない食用シャコガイの生産現場を、畜産業では肉牛、乳用山羊の飼育現場を訪問します。それぞれのフィールドを舞台に、テクノロジーをプラスすることでどのような一次産業の可能性が開けるのかを考えます。

[参加可能人数] 30名

7:30-12:00

午前の部

7:30 – 8:30

カカオ農園 / ローカルランドスケープ

※早朝のため、希望者を集めて実施

[ポイント]

独自の栽培方法を確立することにより沖縄県産カカオの生産を目指す現場を訪問。

カカオ栽培が盛んな南北20°から外れた沖縄県で始まっている取り組みを知ることのできる貴重な機会です。

9:30 – 10:30

シャコガイ養殖場

[ポイント]

沖縄以外では流通量の少ない食用シャコガイの養殖現場を訪問。シャコガイの特性を知るとともに、ビジネスの可能性を考えます。

11:00 – 12:00

クワンソウ栽培農場 / 座間味ファーム

[ポイント]

古くから沖縄で食用としても栽培され、最近では成分のオキシピナタニンが睡眠改善効果を持つと報告されているクワンソウの栽培農場を訪問。

12:30–13:00

昼食

13:00-17:00

午後の部

7:30 – 8:30

肉牛の肥育農場 / もとぶ牧場

[ポイント]

独自の肥育方法で2,000頭近くの肉牛を育てているもとぶ牧場を訪問。
オリジナルで発酵飼料を開発するなど、新しい取り組みも行われています。

16:00 – 17:00

乳用山羊牧場 / はごろも牧場

[ポイント]

沖縄県で唯一乳用山羊を育てているはごろも牧場を訪問。
良質な山羊ミルクを作るためのヤギの品種改良やエサの開発などを知ることで、ヤギの可能性について理解する貴重な機会。

13:00 – 13:10

開会挨拶

13:10 – 13:30

基調講演:未来の食料生産技術を創りたい

[スピーカー]
後藤貴文 氏
鹿児島大学 学術研究院 農水産獣医学域 農学系 教授

九州大学在籍時に、初期成長期における代謝生理的インプリンティング(刷込み)により、穀物飼料ではなく草食でも太る体質の牛を生産する新技術を確立。「Q beef」として展開している。

13:30 – 14:30

パネルディスカッション①
日本を熱帯植物の産地にする技術開発

カカオ、マンゴーなどの熱帯果樹の生産者や研究者から、生産における課題やビジネス上の可能性について話題提供をしてもらいつつ、廃熱利用やセンサリング技術などの技術導入による、日本におけるこれからの熱帯・亜熱帯農作物の生産について議論します。

[パネラー1]

株式会社ローカルランドスケープ 代表取締役
川合 径 氏

「オキナワカカオを地域連携で世界のブランドへ」を掲げ、沖縄本島北部・やんばるにて国内では極めて珍しいカカオ栽培をスタート。カカオを通して地域と都市のコミュニケーションを増やすこと、沖縄食材と組み合わせたチョコレートをつくることで、地域発展につながる裾野の広い沖縄カカオ産業を目指している。

[パネラー2]

宮崎大学 地域資源創成学部 講師
近藤 友大 氏

トロピカルフルーツを用いて、栽培環境や栽培方法の違いが植物の生理生体反応や果実品質におよぼす影響についての研究に取り組んでいる。特に、パッションフルーツの果実品質、特にクエン酸含量におよぼす施肥の影響について研究を行ってきた。

[パネラー3]

琉球大学 工学部 工学科知能情報コース 教授
玉城 史朗 氏

沖縄県で生産されるトロピカルフルーツの品質向上、および、生産性向上をめざし、ICT&IoTを基盤とした果実生産システムの開発を行っている。特に、品質の向上の鍵は光合成活性化であり、最適なCO2施用、LED補光技術の構築を目指している。

[パネラー4]

株式会社リバネス アグリガレージ研究所 所長
宮内 陽介

大学院では、新疆ウイグル自治区に赴き現地の中国人研究者ともにダイズの栽培技術の確立を行う。リバネスでは、植物などの生産者が持つ可能性の最大化をミッションとしたアグリガレージ研究所を立ち上げ、独自研究だけでなく、大学・企業・ベンチャーとの共同研究などに取り組んでいる。

14:40 – 15:50

シンポジウム①
利益を産み出す畜産業を創出する最先端技術

牧草だけでも良い肉質の肉牛を育てる技術、食品残渣を活用したコストを抑えた飼料の開発、受精率を向上させる技術など、原価率の改善を促して利益率を高める畜産関連技術について、議論します。
研究者、生産者の最先端の取り組みの事例が集まります。

[スピーカー1]

琉球大学 農学部 亜熱帯地域農学科 動物生産科学分野 准教授
伊村 嘉美 氏

学生時代には暖地型牧草サイレージの発酵に関する研究、鹿児島大学時代には豚の放飼や牛用エコフィードに関する研究を行ってきた。現在、琉球大学において、県産の食品製造副産物(泡盛粕、とうふ粕、ビール粕など)を原料とする豚用エコフィードの開発に関する研究を実施している。

[スピーカー2]

広島大学大学院 生物圏科学研究科 家畜生殖学研究室 助教
星野 由美 氏

受精・発生能力の高い卵子や受精胚の特徴を分子レベルで解明し、その知見を活かした細胞選別技術の開発に取り組む。また、卵巣や卵子、受精胚の未凍結保存にも挑戦している。これらを異分野と連携した学際的研究として展開し、優良家畜の効率的な増産や生殖補助医療への貢献を目指している。

[スピーカー3]

株式会社松永牧場 代表取締役
松永 和平 氏

松永牧場以外に2つの牧場を経営し、年間で肉牛を3600頭、牛乳を13,500t出荷している。食品残渣を利用したエコ飼料生産、専属獣医による予防診療体制、異業種出資による共同経営、年間2万tの堆肥販売による循環型農業を実践する経営者。

15:50 – 16:10

生産者による生産課題プレゼンテーション

ポスターセッションの前に、地元の生産者から課題と連携したい先についてのプレゼンテーションを行っていただきます。

16:10 – 17:10

ポスターセッション

17:10 – 18:20

シンポジウム②
異分野参入で生まれる次世代養殖技術

養殖の課題に対して、異分野の業種が持つ技術がどのように寄与しうるのか、環境制御やモニタリング技術を活用して実証を行なっている研究者や、企業の方を招いて、議論します。

[スピーカー1]

琉球大学 工学部 機械システム工学科 准教授
瀬名波 出 氏

CO2を海藻を育てるための資源として活かす炭素回生循環型社会の構築を目指している。その主要技術してCO2を海水中に人工的に溶かしこみ、それを海藻に与えることで藻類の生産性を飛躍的に高める海藻培養を行っている。

[スピーカー2]

株式会社巴商会 企画営業部 水産グループ 課長
酒井 敦 氏

平成24年から巴商会で高濃度酸素溶解装置を担当している。平成27年から、兵庫県でこの装置を活かした車海老の養殖試験に取り組んでいる。平成28年からは沖縄県の板馬養殖センターでも車海老の生産規模拡大に取り組む。

[スピーカー3]

古野電気株式会社 技術研究所 研究部 市場開発推進室 主幹研究員
今坂 尚志 氏

関西学院大学理学部物理学科卒業後、古野電気に入社。ドップラー効果を応用した漁船や商船向け水中超音波機器の開発に約20年従事。その後、研究企画や船舶の舵を自動化するオートパイロットを研究。現在はオープンイノベーションを活用しながら新規市場開拓を推進する。
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