セッション3 パネルディスカッション
異分野連携で生み出す地域資源の新活用法
地域固有の農作物や食経験の少ない新規食素材の付加価値を高め、商品として世の中に広めるためには、生産から加工、流通、マーケティングといった多角的な取組みと、食材そのものの機能性・効果等を見いだす研究開発が必要となります。1社単独で全ての機能を担うことは容易ではなく、外部連携によってお互いの知識やノウハウを取り入れながら異分野の仲間づくりをすることが、今後重要な考え方になるといえます。本セッションでは、流通事業者として六次産業化に取り組む旭食品の朝倉氏、微細藻類の大量培養と商品化に成功したユーグレナの鈴木氏、高知県産ナスの機能性を活かしたサプリメントを開発するウェルナスの小山氏を交えて議論します。
<登壇者>
旭食品株式会社 経営企画本部 六次産業推進部 部長
朝倉 和也(あさくら かずや)氏
和歌山大学産業工学科卒業後、IT企業へ就職し、製造業界・アパレル業界などの企業基幹システム(売上管理、給与管理、MRPシステム)を設計・作成する業務にプログラマー・システムエンジニアとして従事。その後、個人事業として物流会社と契約し、物流システム(WMS)を設計・作成する仕事を担い、プロジェクトマネージャーとして従事。2009年に旭食品に入社し、旭食品内の物流システム関連(旭食品物流現場の機器更新や物流システム導入)を担当。その後、経営企画部に配属となり、会社全体の利益管理、M&A等に従事。そこから現部署(六次産業推進部)で旭食品卸事業以外の新規事業や地域活性化を目的とする六次産業化の担当を任され、現在に至る。
株式会社ユーグレナ 執行役員 研究開発担当
鈴木 健吾(すずき けんご)氏
2005年東京大学在学中に株式会社ユーグレナの設立に携わり、共同創業者の一人として研究開発の責任者を担当して現在に至る。微細藻類の一種であるユーグレナの大量培養を中心とした技術開発を中心に手掛ける。2016年に東京大学で博士(農学)、2019年に北里大学で博士(医学)の学位取得。現在は、理化学研究所の微細藻類生産制御技術研究チームの研究責任者、マレーシア工科大学の客員教授、東北大学の特任教授を兼任。
株式会社ウェルナス 代表取締役社長
小山 正浩(こやま まさひろ)氏
博士(農学)。2008年に信州大学大学院修士課程に進学後、ナスに自律神経バランスを整える新規食品機能性成分コリンエステルが多量に含まれるという新発見に携わり、自身の悩みである高血圧及び睡眠障害もコリンエステルで改善する。同大学博士課程修了後、同大学博士研究員を経て、研究成果を社会実装するために信州大学発ベンチャー(株)ウェルナスを設立。機能性食品を組み合わせた個人最適食で、個々人の望む健康を実現することを目指す。
<モデレーター>
株式会社リバネス 代表取締役副社長CTO
井上 浄(いのうえ じょう)
東京薬科大学大学院薬学研究科博士課程修了、博士(薬学)。リバネス創業メンバー。博士課程を 修了後、北里大学理学部助教および講師、京都大学大学院医学研究科助教を経て、2015年より慶應 義塾大学先端生命科学研究所特任准教授、2018年より熊本大学薬学部先端薬学教授、慶應義塾大学 薬学部客員教授に就任・兼務。研究開発を行いながら、大学・研究機関との共同研究事業の立ち上 げや研究所設立の支援等に携わる研究者。