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参加者230名超!8/8超異分野学会 益田フォーラム2018を開催

2018.08.22
参加者230名超!8/8超異分野学会 益田フォーラム2018を開催

株式会社リバネス(本社:東京都新宿区、代表取締役CEO:丸幸弘)は、8月8日(水)に島根県益田市において、超異分野学会の地域大会「益田フォーラム」を初開催しました。
島根県内外の研究者やベンチャー・企業・生産者・中高生等230名が集まり、人口減少、農業の担い手不足、山林・農地の荒廃等の地元が抱える課題解決に向けて、熱い議論を繰り広げました。

萩・石見空港から車で10分ほどの立地にあるものの、消滅可能性都市の1つとして挙げられる益田市。人口減少、高齢化が著しく、市の特徴でもある農業の担い手不足、放置された山林の荒廃等の課題が顕在化しています。今日では、これらの課題は益田圏域のみならず、日本の地域を象徴する重大な課題として浮き彫りになっています。

そこで、益田フォーラムは、地域に異分野の知識を流入させ、地元資源と融合させることで、課題解決に資する新しい研究開発プロジェクトを生み出すことを目的に開催しました。フォーラム当日をプロジェクトのキックオフと位置づけ、「食と健康」を重点項目とした4つのセッションテーマに沿って、研究推進チームの結成を行いました。

今後、医食農連携による魅力あるまちづくりを目指して、4つの研究プロジェクトを推進していきます。

<フォーラムテーマ>技術革新がもたらす医食農連携とコンパクトシティモデル
<4つのプロジェクト>
●ヘルステックモールを拠点に健康を可視化する
●放棄林地を活用した畜産の実現
●ローカルアグリ2030
●グローバル展開を可能にする保存・流通技術

プロジェクト1:ヘルステックモールを拠点に健康を可視化する

地域の人々が通うスーパー、ショッピングセンターで高齢者の生体データを取得し、その情報を健康増進プログラムに結びつけます。食事や運動のアドバイスとエピゲノムの解析を合わせることでアドバイスの効果測定と検証を進めます。また、人が集まり、コミュニケーションをする場ができること自体も健康増進に寄与するのではないかと考えられます。議論の中で、活用できるデータを取得するには、1,000人規模での試験が必要だと具体的な数字も確認し、実証試験に向けた一歩目が切られました。

プロジェクト2:放棄林地を活用した畜産の実現

増加する耕作放棄地や放棄森林を活用し、放牧による新たな畜産業の創出を目指します。子牛の時期の栄養状態をコントロールすることで、草のみで美味しく肥える体質を獲得させ、また、牛に装着したデバイスで位置情報や採食量、行動区域を管理し、放牧の簡易化を実現します。将来的には東南アジアへの技術展開を視野に入れて、益田市で新たな牛肉生産システムを構築します。

プロジェクト3:ローカルアグリ2030

就農者の高齢化や後継者不足、農業技術の継承などの地域農業が抱える課題に対し、農機や機器のIT化・高機能化によって実現する2030年でも持続可能な農業の在り方について議論しました。具体的な事例を交えながら、農機具の自動化による就農者の負担軽減や圃場モニタリングシステムの活用における成功の秘訣などが提示され、導入への機運が高まりました。

プロジェクト4:グローバル展開を可能にする保存・流通技術

農林水産品を輸出する際に課題となる鮮度保持や生産量の確保等のために必要な技術やアイディアについて、研究者やベンチャーから技術の紹介が行われました。また、日本の産地と海外市場のバリューチェーン構築のために欠かせない産地リレーによる生産ロットの確保、産地で生産品を取りまとめるキーマンの必要性にも触れ、参加していた農業者が最初の協力者となり、登壇者とともにプロジェクトを具体化していくイメージが共有されました。

また、ポスターセッションでは地元生産者も交えながら、具体的な連携を生み出すべく議論が重ねられました。

<ポスターセッション>

ポスター最優秀賞

「透析患者用低カリウムメロンの開発とその実用化」
島根大学 浅尾 俊樹 氏

ポスター特別賞

「苺栽培の簡略化と高度化」
有限会社アグリみと 草野 祐一 氏

「スギ花粉米で中山間地域の農業に貢献したい」
農業・食品産業技術総合研究機構 高野 誠 氏

「尿中マーカーによるストレスの見える化~精神疾患予防を目指して~」
株式会社RESVO 杉本 愛 氏


超異分野学会益田フォーラムから生まれた新規プロジェクトの経過報告は、2018年3月8日-9日に東京で行われる超異分野学会本大会で実施予定です。
最新情報は学会ホームページから(https://hic.lne.st/)

<お問い合わせ>
E-MAIL [email protected] TEL 03-5227-4198
株式会社リバネス 研究開発事業部 中嶋、松原

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